宰相府藩国 水の巨塔

構造

全景

 砂漠の国である宰相府にオアシスが突如現れる。その中心にあるのが高さ600mにもなる水の巨塔だ。ランドマークであり、このオアシスに水をもたらす重要な設備でもある。その頂上からは昼夜を問わずに水がこんこんと流れ出し、宰相府を潤してゆく。
 その地下には秋の園が広がる。赤く染まった山の中にそびえる1kmにも及ぶ巨大な滝。秋の園の象徴とも言えるそれは途中から霧になり、地面にしみこんで地下水となり、川となって湖に注ぐ。
 この二つが同一の施設であると気付いている人間はそう多くはないだろう。地上に露出している部分が600m、地上と地下庭園を分ける地盤に埋まっている部分が200m、地下庭園の滝が1000m、そして地下に埋まっている部分が800m。以上全長2.6km全幅210mにもなる巨大な建造物が水の巨塔の真の姿だ。
 2.6kmもの塔を支え、地下から汲み上げた水を2.6kmもの高さへと送り出すという事を両立させるのは容易ではない。これを実現するためには様々な問題を解決する必要があった。