とある夫婦が経営するその店はこじんまりとしていたが、色とりどりの葉で飾られとても落ち着いた雰囲気を出している。
メニューは情景にあわせてか、和のものが多い。
団子は勿論のこと、おはぎなどの和菓子やそれにあわせた煎茶やほうじ茶に抹茶。団子にしても餡、みたらし、茶団子など規模に比べて種類は豊富である。
変わったところでは栗や柿のソフトクリーム。その他、干し柿等もある。
基本は表に腰掛け、紅葉を楽しみながら団子と茶を楽しむようになっているが、参道を下る場合のみ持ち帰りのメニューもある。
これは境内や其処にある水源の美観を損ねないためと、なにより、ものを食べながら神社に入るものでは無いという意見からである。
ただ、神社の脇にベンチがあるため、そこで食事をしようとする参拝客(主にカップル)が最近多く、悩みの種だという。
風情ある和傘もここで買える
さて、この茶店だが茶菓子の他にも食事のメニューがある。
と言ってもメニューに載っている訳ではない。店頭で口頭注文すると店の奥に通され、そこで食事が出される。
メニューに載っていないため、観光客にはほとんど知られていないが、中には食事をしていく観光客もいる。
因みに何故奥に通されるかと言うと、基本的に表では観光客(それもほとんどカップル)が良く茶を飲んでいく。
隣でイチャイチャされては美味い食事も喉を通りにくく、また、隣で飯を食われてはせっかくの雰囲気が台無しだろう。
カップルにしても、一般人にしても、情緒というものは大事である。
要は、そういうことだった。
その食事であるが、基本はうどんか炊き込みご飯となる。
団子もそうだが、全てにおいて神社の湧き水が使われており、味はすこぶる良い。
最初は主人の趣味…と言うか自分たちで食べるために用意したメニューではあるが、これが中々の評判を得ている。
名物まつたけうどん
山に自生している松茸を使用するのだが、元々は宰相の趣味で作られた山だけあって本来採取は許可されていない。
乱獲で荒れるための決まりであるが、何故かこの茶店が店で出す分においてのみ許可されている。
理由は定かではないが、宰相もこの店の食事が気に入っているという噂があることを此処に記しておく。
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