迎賓館 舞台裏  


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〜  「皇女肖像画」 舞台裏 / 焼け焦げ痕の作り方  〜


 【シナリオを書いた頃の話】

  謎の火災があった話に何か逸話を入れようと思って考えた話です。
  作成当時は砂漠のど真ん中という立地上の問題点を使った『使用人に死傷者が出た』と言うネタを使いましたが、
  逸話として主力にするにはちょっと悲惨すぎると思ったので火災の中であった良い話を考える事にしました。
  それのネタとして使う事にしたのが焼け残った美術品です。
  始めは『火災のど真ん中にあって焦げた壷』と『延焼した区画と延焼を免れた区画の境にあった絵画』という位置づけでした。
  そこに『焼け焦げた壷:崩れた迎賓館の一角に焦げてはいたが、以前と変わらぬままそこにあった帝國の不屈の象徴』
  『一部が焼けた絵画:使用人の女性が命がけで回収してきた』と言う肉付けをしました。
  もっとも、壷の方は書いていて「あれ? 絵画の方がいい話じゃない?」ということで削ってしまいましたが。
  ちなみに、利用案内の使用人の女性同様、この辺りの話もちゃんと設定を起こしていたりします。
  (それを読みたくて、内容のショボさを我慢できる奇特な方がいらっしゃったら、多少推敲して公開しますのでご一報下さい)

(文章とコメント: 那限逢真・三影@天領)

> 1. イメージラフ



那限さんの 外観・歴史紹介用まんがシナリオと、 SS「迎賓館百年の歩みとその一端」・・を読んで、
焼け残った絵が 描いてみたくなりました。

「皇帝と宰相が気に入っていたもので、当時の使用人の女性が命がけで回収してきた」絵、とは どんな絵か? と考えたとき、
普通(?)に「名画」だとか、「資産価値がある」などの作品では、命がけで回収してきたことを喜ばないのでは、と思い
であれば、(メイドから見ても、あれだけは如何しても、と思う)思い出の詰まった作品なのでは、 ・・・・と云うことで、
幼い皇女の肖像画を想像してみました。

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)

> 2. イメージの相談。

  乃亜T型: あと、 これは、 ホントに 描けるかどうか判らないのですけれど、
         「皇帝と宰相が気に入っていたもので、当時の使用人の女性が命がけで回収してきた」絵 は、  あんな感じでも良いでしょうか?

  乃亜T型: 大きさが、どのくらいを想定してましたでしょうか?

  那限逢真: あまり大きくはないですね。「運び出せるサイズ」で想定していたので

  那限逢真: ちなみに、脳内設定では使用人の女性は一人で運び出してます

  乃亜T型: なるほど。了解です。    では、 プライベートな感じの大きさで考えて見ます。

  那限逢真: まぁ、書いていない部分なので、サイズはお好きにして構いません

  乃亜T型: だいたい、 女の人が抱えて走れるくらいですね。 きっと。

  那限逢真: 絵についても、こんな感じでいいかと思います(一枚絵で掲載したいですねコレ(笑

  那限逢真: そうですね。ひとりで、だとそれくらいですね

  乃亜T型: ありがとうございます。
         これ、まずは、まんがのほうで、一部だけ書いて、  時間あれば 1枚で仕上げられればよいなー、とか思ってます(笑)。

  那限逢真: 了解です、頑張って下さい(笑


【イラストを拝見した時の話】

  乃亜さんと話をしている段階では、「乃亜さんはイメージを掴むために一枚絵でラフを描いているんだろうなぁ」と思っていました。
  (私もイラストを描く時に本来描くものとは別に、設定画のようなものを描く時があるので)
  私の「一枚絵で〜」も半ば冗談でしたし、本人も「時間があれば〜」と言っていましたので……。
  (当時、締め切り間近だったので、そこまで余裕があると思っていませんでした)
  実の事を言えば、絵画の設定は『皇帝と宰相のお気に入りを使用人が回収してきた』と言う辺りのものだけでした。
  なので絵画そのものの設定はほとんどなく、乃亜さんがイラストにして来た時は驚きました。
(コメント: 那限逢真・三影@天領)

・・・・スミマセン、 ・・・・まんがの方をまず先に仕上げます、とか言いつつ、
こちらの絵を先に描き始めてしまいました・・(ぉぃ)。 ごめんなさい。
(コメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)
> 3. 線画と額。



古風なドレスと、金髪の少女、東洋趣味な白磁の花器、と
基本イメージは 17世紀くらいの王女の肖像画、と云う感じです。 (火災は34年前なのですが・・・)

少女像ではありますが、目元・口元は、凛々しく 意思が強そうにしてみようと思います。

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)
> 4. 一旦の完成。



一度 中の絵を仕上げた後、硝子細工っぽい装飾をつけた額に嵌め込んで とりあえずの完成です。
ここから、焼け跡を加えていきます。
(・・・今 見返すと、もう少し奥行きと古色をつけても良かった気がします・・・ぬぬう。)

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)

> 5. 焼け焦げ



エアブラシツールなどで 少しづつ、
ぷしゅぷしゅと円を描くように 焦げ痕を作っていきます。

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)

> 6. 焼き込み



レイヤーのモードを焼き込み等に変更したり、
濃淡をつけたり、時々 色を変えたりしながら、 気に入るまで描き込みます。
(外側に額を描かない場合などは、白色で穴を開けてみたり、なども面白い感じになったりします。)

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)

> 7. さらに焼け焦げ



外側の額縁も 炎に焦がされた感じに。
吹きつけ → 濃さ・色の調整 → 吹きつけ ・・・の 5、6の間を
納得いくまで繰り返します。

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)

> 8. 完成



最終的に、このような感じとなりました。

女の人が 一人で抱えてこれるくらいの大きさとした場合、 ちょっと焼けすぎかな?とも思いますが
火災の悲惨さを強調するため、少々盛大に焦げさせてみました。

(画像とコメント: 乃亜T型@ナニワアームズ商藩国)
【完成品を見ての感想】

  最初の感想は「うわ。本当に一枚絵になっているよ! しかも上手いし!」でした。
  これに関しては私の意図を超えたものでしたので、「あんな少ない設定から良い物を描いてくれたなぁ……」と嬉しくなりました。
  このイラストのおかげで火災の際の逸話がより一層引き立ったように感じました。
(コメント: 那限逢真・三影@天領)


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