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 サク…サク…
 いつものように砂漠を歩く。
 サク…サク…
 後ろを見ると、まっさらな砂の海に私の足跡だけが続いている。
 サク…サク…
 前を見ると、目的地が見えてくる。後もう一踏ん張りだ。



 ようやく、目的地に到着する。何度通っても、やはり砂漠の熱は慣れそうにない。
 砂に埋もれかけた古い遺跡。どれくらい昔の物なのか分からないが、風化が激しく建物としての形はほとんど残っておらず、壁や柱が砂漠から生えている、そんな風景だ。

 近くに小さなオアシスがあるしゲートからもそう離れてはいない。だが、そもそもこの砂漠を訪れる人は少なく、コレといった見るべきものがある場所でもないので、今までこの遺跡で人と会ったことはない。

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