帝國軍事院

付け焼き刃の軍事用語 (曲直瀬りま@FVB/聞き手:きみこ@FVB)

【きみこ】「宿題になってた、アイドレスにも出てくる軍事用語とかで、解りにくかったり聞いたことのないモノをまとめてきました」
【曲直瀬りま:以下まなせ】「はい。それでは、きみこの要望に応えて、もう少し詳しい用語解説をしてみますね」
【きみこ】「おねがいしまーす!」
【まなせ】「それから念のために、“もしかしたら”これから関係してくるかも知れないあたりを付け加えてみましょう」

それってどう違うの?〜兵器の違い

戦闘機

 主に飛行機への攻撃を任務とする軍用機の一種。敵機を撃墜したり追い払って、航空優勢(制空権)を手に入れれば、地上の敵の様子を偵察するのも爆撃するのも思いのままとなります。だから武器も空対空ミサイルとか機関砲とか、敵機を攻撃するためのものとなります。
 この戦闘機に地上攻撃能力を付け加えると戦闘爆撃機。ただし、何でもやりすぎると鈍重になったり価格が跳ね上がったりとデメリットも出てくるのは、どんなものでも同じです。

攻撃機

 地上や洋上の目標を爆弾や魚雷で攻撃するための軍用機のこと。これも時代や国で呼び名や分類がころころ変わるので、マニアでなければ深く気にしなくても良いです。他に気にすることはいろいろあるはずですし。
 ちなみに自衛隊では「支援戦闘機」と呼びます。

【きみこ】「自衛隊は違うんだ?」
【まなせ】「自衛隊は軍隊じゃないんだと主張しなくちゃいけないんで、いろいろ無理をしてます」
【きみこ】「“軍”とか“攻撃”とかはNGなのね」
【まなせ】「ちょっと前までは、戦車も特車とか呼ばされてたしね」
【きみこ】「そうかあ。やっぱりパトレイバーも人型戦車も“戦車”なんだ☆」

爆撃機

 地上や洋上の目標を爆弾で攻撃するための軍用機のこと。例によって分類がいろいろなので、攻撃機と同じに考えてしまっても支障はないけれど、長距離を飛ぶ大型のタイプは戦略爆撃機と呼びます。
 太平洋戦争で「紙と木の家は良く燃えるぞ」と東京の市街地を民間人ごと焼夷弾で焼き尽くしたのは戦略爆撃機B−29ですが、日本にはまともなレーダーも一気に高空まで舞い上がれる戦闘機もなかったので、やられ放題でした。

【きみこ】「レーダーって大事ですね」

戦艦

 すっかり戦争オンチになってしまった日本では、大型の軍艦を見るとなんでも「戦艦」というようですが、基本的には建造時点で最大クラスの大砲を主要な武器として、それに見合った装甲を施された大型軍艦のこと。第二次世界大戦までは海軍の主力でしたが、今では過去の存在となり、保有している国はありません。
 威力はあるけれど、コストはかかるし、足は遅いしで、今は空母に主力艦の地位を譲っています。

【きみこ】「これこれ。これが解らなかったの! 戦艦とか巡洋艦とかいわれても、見た目おんなじじゃん!」
【まなせ】「まあ、比較の問題というか、もともとの用途の違いだし、あとは軍拡競争に歯止めをかけるための各国間の協定とか各軍内で定義してるわけです」
【きみこ】「相撲の横綱と関脇みたいな感じ?」
【まなせ】「近いかもしれんなあ……まあ、戦艦だと長さで200mくらい。1000人くらいは乗り込んでいます。空母も同じくらい。飛行機の分だけ人が多いかな」
【きみこ】「アイドレスで取得したら運用で死にそうね」

巡洋戦艦

 大きな大砲を載せた厚い装甲の戦艦はやっぱり重たいわけで、当然速度も遅くなります。そこで戦艦ほど大砲が強力でなくても良いから、速い艦を作ろうという発想で生まれてきたのが巡洋戦艦。
 ところが防御力が小さいのは事実なわけで、1916年のユトランド沖海戦で巡洋戦艦がぼこすか沈んでしまったため、それっきり人気がなくなってしまいます。(あたりまえですね)
 代わりに登場してきたのが、「戦艦よりは速度があり、巡洋戦艦よりは防御力がある」高速戦艦ですが、ここまで来るともう区別が付かないし、つける必要もなくなっていきます。

巡洋艦

 文字通り、海洋を巡るための艦。戦艦ほどではないけれど、それなりの大砲を積んで、長距離をそこそこの速さで移動しようというもので、どちらかというと欧州諸国の植民地対策の道具として発達したタイプです。

【きみこ】「え、巡洋艦と巡洋戦艦って違うんだ……」
【まなせ】「違うよん。アイドレスには巡洋戦艦はまだ出てこないけどね」
【きみこ】「出ないかもしれない」
【まなせ】「デザインでしくじって、戦艦が巡洋戦艦になることはあるかもね」

航空戦艦/航空巡洋艦

 戦艦や巡洋艦の砲塔の一部を取り払い、航空機の離発着用の設備を備えたものです。もとの艦の半分くらいの攻撃力と、空母の半分以下の航空機搭載量を備えていますが、思った通り使い物にならなかったので、試しに何隻か作られただけで、すぐに消えていきました。

【きみこ】「宇宙戦艦ヤマトなんか、航空戦艦だよねえ……」
【まなせ】「そのあたりは太平洋戦争で負けた世代の妄執がこもってる作品だから」

駆逐艦

 商船護衛のために使われることの多い小型艦。大砲も積んでいるけれど、主な武器は魚雷や爆雷であることが多く、艦隊戦では敵艦を魚雷で水雷攻撃したり、潜水艦を爆雷攻撃したりします。
 太平洋戦争中の日本海軍は、商船護衛用の駆逐艦を揃えていなかったために、商船が軒並み撃沈され商船乗組員の44%が犠牲になっています。
 駆逐艦が活躍する映画ならグレゴリー・ペック主演の『眼下の敵』、小説ならセシル・スコット・フォレスターの『駆逐艦キーリング』がお薦め。どちらも爆雷の残数に苦労するのが共通点です。さらに、駆逐艦<雪風>と言えば、さまざまな激戦に参加しつつ終戦まで無傷で生き抜いた陽炎型駆逐艦。幸運な不沈艦の代名詞なのです。

【きみこ】「あれ? アイドレスでは『雪風級護衛艦』ってのがあるよ?」
【まなせ】「護衛艦っていうのは、これも自衛隊流の言い換えで、駆逐艦のこと。まあ、帝国海軍の<雪風>は陽炎型駆逐艦なんで、どのみちホンモノとはちょっと違います」
【きみこ】「じゃあ、護衛艦ってのは駆逐艦と同じと考えて良いのね」
【まなせ】「おおよそね。細かくいえば、駆逐艦(デストロイヤー)もフリゲートもコルベットも、区分としては護衛艦になるんじゃないかな」
【きみこ】「めんどくさっ! コルベットは車で良いの!」
【まなせ】「じゃあ、この話はなかったということで」

【きみこ】「あ、ここで文章チェックをされているHTML班の方から質問が入りました。『魚雷・水雷・爆雷の違いがわかりません』とのことですが……、言われてみるとわからないよねえ?」
【まなせ】「水の中で爆発する兵器の総称が『水雷』。潜水艦を狙って船や飛行機から投げ込む水雷が『爆雷』。水の中にあらかじめ投げ込んでおいて、船舶とかが接近すると爆発する水雷が『機雷』。スクリューがついていて、水中を目標に向かって移動していく水雷が『魚雷』」
【きみこ】「ぷかぷか浮いているのが機雷なのね。でも、<夜明けの船>って、艦隊戦の最中に機雷を使ってましたよ?」
【まなせ】「戦闘中にこっそり機雷を撒いて、そこへ敵をおびき寄せるのも作戦だけれど、<夜明けの船>の場合は主に機動機雷を短距離戦用に使ってるから」
【きみこ】「はあ?」
【まなせ】「確かにぷかぷか浮いているのが機雷なんだけれど、目標が近づいてくると自分から近寄っていくホーミング機雷とかあるわけよ」
【きみこ】「ややこしや!」
【まなせ】「まあ、そこらを頭に入れておくと、掃海艇の重要性というか、任務の難しさはわかってもらえるかな?」

掃海艇

 海峡や港の出入口などの海中に設置された機雷を排除し、航行の安全を図るのを任務とする艦。
 なにせ相手が機雷だけに、反応しないように船体も木製だったり強化プラスチック製だったりする。地味だけれど、掃海艇がいなければ海に機雷をばらまかれて補給が途絶えたり、戦艦が沈んだりするんで、かなり重要な存在なのです。

【きみこ】「確かにアイドレスに掃海艇ってあるけどさ、こんなものピンポイントでとったら、イヤンな感じだよね」
【まなせ】「でも、取得しないでいて、もしこいつが必要なイベントが発生したら?と思うとぞっとするけど」

モニター艦

 沿岸防衛用に、小型の艦に大きめの大砲をドンッと載せたもの。砲艦の一種で、南北戦争で北軍が投入した<USSモニター>がはじまり。
 航行能力はないけれど、比較的安価で生産できる移動砲台として重宝されたらしいけれど、あれやこれやの技術革新で過去の遺物に。

【きみこ】「モニター艦っていったら、モニターするための艦だと思わない? 戦況とかさ。なんでモニターなの!?」
【まなせ】「最初の1隻がUSSモニターだったから」
【きみこ】「そのモニターなんとかって艦の名前なの?」
【まなせ】「そうだよ?」
【きみこ】「間違ってる!」
【まなせ】「間違ってはいないと思うけどなあ。ちなみに、モニターするための艦はピケット艦といって……」

空母

 飛行甲板を備え、軍用機の離発着や整備・補給が可能な航空母艦のこと。
 第一次大戦後に急速に発展した艦種だけれど、戦艦を沈め街を焼き払えるような装備を搭載した軍用機を自由自在に操れるぞと威嚇しつつ公海を航海する空母は、いまや戦艦に代わって主力艦であり洋上司令部というべき存在に。

宇宙戦艦

 宇宙戦艦も航行するのが宙か海かというだけで、定義は水上の戦艦と変わらないはず。映画『王立宇宙軍』のように、1人乗りの非武装のカプセルでも宇宙軍が打ちあげたから宇宙戦艦だと言い張る場合もあるので注意。
 まあ、宇宙では空力抵抗は考えなくてもいいので、本来はペンシル型である必要はないし、ましてや海上船舶そっくりである必要もない。最低限、主ノズルが重心位置からずれたところになく、上下左右に死角がない設計であればいいんでないかな。

【きみこ】「宇宙戦艦なんて、現実にないじゃない! そんなの紹介して良いの?」
【まなせ】「だって、アイドレスにあるんだもの」

宇宙巡洋艦

 宇宙で運用する巡洋艦。
 アイドレスに「こんごう級宇宙巡洋艦」というのがありますが、<こんごう級>というと現代日本のイージス・システム搭載のミサイル艦と同じ名前なので、防宙の要として期待できそうです。

宇宙駆逐艦

 宇宙で運用する駆逐艦。
 ただし<ゆきかぜ>級というと、海上自衛隊の護衛艦<ゆきかぜ>よりも、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場するミサイル突撃艦<ゆきかぜ>の方を連想します。勇猛果敢な艦であり、地球艦隊が一方的にやられまくった冥王星会戦で戦果を上げた数少ない艦でもあります。

【きみこ】「念押しだけど、<ゆきかぜ>っていう艦は本当にあるわけね?」
【まなせ】「帝国海軍の駆逐艦と、自衛隊の護衛艦と、海上保安庁の巡視艇があるよ」
【きみこ】「なんか戦闘妖精しか思い浮かばなくってさ」

宇宙空母

 宇宙で運用する……もういいか。
 宇宙空母と言って<ブルーノア>を想像するか、<ギャラクティカ>か、それともガミラス三段空母かといろいろありますが、基本的に母艦機能を持った大型艦ということに違いはなく、その戦闘力は搭載する艦載機に左右されること、運用するのに多くの人員と資源が必要なことを忘れてはいけません。

【まなせ】「まあ、宇宙で使えるI=Dが運用できるなら、宇宙戦艦より宇宙空母の方が動かしやすいかも。耐久力で差が付くけれど、空母に直接ダメージが来るような戦いを前提にするもんじゃないし」
【きみこ】「甲板が反転すると良いね!」

列車砲

 普通だったら動かせるはずもない大型砲を、列車で牽引して鉄道で移動できるようにしたものですが、現代ではミサイルの方が効率が良いので死滅してます。なにせ射程こそ50Km、100Kmありますが、移動させるのに複線すべて使用するとか、砲弾の重さが5トンなので1発撃つのに15分かかるとか、運用するのに砲兵1000人に整備兵と警備で4000人がいるとか、移動から撃てる状態に持っていくまでに数週間かかるとか、まあ、要塞1つを新しく作るよりは安いかなあというシロモノ。廃れるのも当然。
 でも、男の子って、こういうでかくて強そうなものが好きなんですよ。榊版『ガンパレード・マーチ 山口防衛戦』でロートル列車砲が火を吹いたときは喝采したもんです。

【きみこ】「列車砲って、威力あるの?」
【まなせ】「あのさあ、100Km向こうから飛んでくる5トンの鉄の塊って、すごくない?」
【きみこ】「……ああ!(ぽんっ) 大型の投石機みたいなものなんだ! ミナス・ティリス戦で見たことある!」
【まなせ】「……そうだね……山の向こうからあれが飛んでくると想像して見な?」

74式戦車

 山岳地帯が多く、狭い国土の日本用に特化して開発された戦車。射撃管制装置がコンピューター化される一方で、側面装甲が薄めなのが欠点だが、油圧姿勢制御で車体の姿勢を自由に変える事で車高を低くすることでカバーしています。

【きみこ】「なんで、74式戦車だけ紹介してるの?」
【まなせ】「小太刀戦車長の乗ってるのが74式だから」
【きみこ】「ああ、清子さんって74式なんだ」
【まなせ】「戦車も説明し出すときりがないからはしょるけど」

装甲車

 人員や武器弾薬の輸送に用いられる装甲車両のことで、人員輸送用、偵察・指揮用、歩兵戦闘用、物資輸送用などの用途に応じて開発され、車輪走行だったりキャタピラ走行だったりします。ガンパレの指揮車も装甲車ですね。もっとも「キャタピラ」というのは本当は商標なので、クローラーとか無限軌道とか履帯とかいうべきなんだろうけど……。

【きみこ】「無限軌道ってSSX?」
【まなせ】「きっぱり、違います」


それってどう違うの?2〜兵科の違い

歩兵

 兵隊の基本。昔は「一銭五厘」とか呼ばれて、郵送料1銭5厘の召集令状で徴兵されて、基礎訓練を受けたらいっちょできあがり!みたいイメージがありましたが、訓練と装備と運用次第では、いくらでも化けるわけです。

【まなせ】「ちなみに装甲擲弾兵というのもありますが、ナチスドイツが歩兵を強く見せようと呼び名を変えただけのものです」
【きみこ】「別に強くなってないんだ」
【まなせ】「なってませんね。でも、それが集まると戦車も配備されたらしいし、現代でも歩兵の装備が良くなると擲弾兵、という区分もあるらしいけど」
【きみこ】「擲弾を持ってなくても擲弾兵、って詐欺じゃん」
【まなせ】「誇大広告と言ってよ。そもそもは、爆弾投げる係が擲弾兵ということだったらしいけどね」

偵察兵

 『ガンパレード・オーケストラ』をプレイしていると、偵察兵はとてもNPCには任せておけないし、かといって自分が兵科変更すると明らかに戦力ダウンな偵察兵。
 でも、偵察兵の役割は重要です。単独または少人数で行動し、初めての土地でも敵に見つからず、敵を見失わず、疲れを知らずにどこまでも徒歩または騎馬で移動し、情報を必ず部隊に送り届けるのが仕事。弾着観測が仕事なら、自分の周囲にどかんどかんと味方の砲弾が降りしきろうと、最後まで目標を指示し続けなくてはいけません。19世紀のアメリカ合衆国では、ネイティブ・アメリカンの鎮圧の際に、先に恭順した部族から偵察兵を募っています。
 敵味方の状況をいち早く把握するのが戦闘の最優先事項なら、偵察兵はまさしく勝敗の鍵を握っています。

機械化歩兵

 戦車部隊などと行動を共にするため、専用のトラックなどが与えられた歩兵部隊のこと。パワードスーツ部隊かと思って期待していると、後でがっかりするもの。自動車化狙撃兵というのもほぼ同じ。

【きみこ】「やっぱりがっかりするよね」
【まなせ】「しますね☆……って、いつ、どこでがっかりしたの?」
【きみこ】「どこだったかなあ。サイボーグ部隊かと思ったもん」

軌道降下兵

 惑星軌道から地上に降下する能力を持った歩兵。簡単に言ってしまえば、ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に始まるパワードスーツを着用した兵士のこと。
 アメコミや日本の変身ヒーローのタイツみたいなものも、介護用パワーアシスト用も、定義としてはパワードスーツなのだけれど、1959年に発表された『宇宙の戦士』に従って、ただ単にパワードスーツという場合は 「着る戦車」のこと。重装甲と怪力と様々な銃火器を備え、惑星軌道上から降下カプセルに収納されて降下し、敵勢力の拠点を急襲するのがお仕事。でも、もちろん軌道から降下できるといって、何も考えずにバラまいていたら、あっという間に迎撃されて線香花火のように消えることは間違いなし。事前に妨害電波やら何やらで撹乱して何してと、ちゃんとやらなくてはアウト。
 どんな兵器も使い方次第なのであります。

【きみこ】「『クラッシャージョー』の映画にも出てきたよね☆」
【まなせ】「だね」

戦車跨乗歩兵

 ガンパレード・マーチに登場するのは、戦車随伴兵。こちらは戦車跨乗兵(タンクデサント)。史実でいうと、第二次大戦のソ連軍がよく利用した兵科で、ひとことでいうと、機械化歩兵にする余裕がないので歩兵を戦車の上に載せてみましたというもの。そのまま戦車と一緒に戦場に突入していくので、平均寿命は2週間くらい。

【きみこ】「……2週間……かわいそう」
【まなせ】「ホタルみたいなものかな。カゲロウよりは長生き」

戦車随伴歩兵

 戦車は意外と視界が狭いので、歩兵と一緒に行動しないとこっそり接近してきた敵兵にやられてしまうことも。だから戦車に随伴して、近づく敵を警戒する戦車随伴歩兵(スカウト)の役割は重要です。ドラマCD『ガンパレード・オーケストラ 白の章』のラストで、そのあたりは岩崎が嬉しそうに解説してましたね。

【きみこ】「戦車随伴歩兵ってGロボの大作くんみたいのだと思ってた」
【まなせ】「5121の人型戦車は手すり付けてたよ」
【きみこ】「でも、そうじゃない場合は戦車と一緒に走るわけ?」
【まなせ】「そういうときは、トラックに乗ってついていくの」
【きみこ】「ああ、機械化歩兵ね」

海軍歩兵

 海兵隊とか陸戦隊といった方が馴染みがあるかな。
 艦船に乗り込んで任務をおこなう海軍所属の戦闘部隊のこと。そもそも正式な兵科として設立されたきっかけは、イギリスやオランダの植民地対策だったとか。
 なんといっても、海から敵陣に一番乗りすることが多いですから、装備は軽くて強力でないといけません。

【きみこ】「善行さんが海兵出身だよね」
【まなせ】「だから『ガンパレード・マーチ』は装備が海兵向けでしたね」
【きみこ】「海兵向けだったの?」
【まなせ】「カットラスとかあったでしょ? あれ、海賊映画で振り回しているやつだよ。船上での戦い用の剣」

猟兵

 もともとは17世紀に、銃が扱え、かつ単独行動に慣れている猟師などを集めて部隊を編成したもの。銃が普及してからは、単に空挺部隊や山岳部隊などに与えられるカッコイイ名前として残りました。戦車兵が戦車猟兵と呼ばれ、あるいは対戦車砲を装備した部隊が対戦車猟兵と呼ばれたりするわけです。
 ときには対戦車猟兵の部隊へ転属だといわれて行ってみると、対戦車ライフル1丁だけの生身で戦車をやっつけてこいと放り出されたりして、たいへんなことになったりします。

【きみこ】「メロウリンクかいっ……って、猟兵=歩兵でもないんだ」
【まなせ】「自走砲に乗ってても猟兵だしね」
【きみこ】「制服をカッコよくするみたいな士気高揚策かな」
【まなせ】「そんな感じ」
【きみこ】「猟兵といい擲弾兵といい、まったくどいつもこいつも!」

懲罰大隊

 榊版『ガンパレード・オーケストラ 白の章』でも言及されていたのが懲罰大隊。軍規や命令に違反するなどして階級を剥奪された者が送りこまれる大隊というか、それに似た部隊のことです。3Kを飛び越え、地雷撤去といわれて横一列で地雷原に突入させられたり、手榴弾だけで戦車と戦えとか無理難題を押しつけられることで有名。

【きみこ】「そうかあ。懲罰大隊って、ムチ持って懲罰を受けさせる係なのかと思ってたよ」
【まなせ】「逆です。囚人部隊みたいなもんだね」
【きみこ】「奥が深い……でも、アイドレスには関係ないよね」
【まなせ】「だといいね」

参考文献

【まなせ】「じゃあ、最後に参考文献の一部だけ載せておくね」
【きみこ】「まさか、読めとはいわないでしょ?」
【まなせ】「いいません。読ませるくらいなら、最初からまとめないってば」
【きみこ】「だよね」
【まなせ】「まあ、書いているときにパラパラ読み直して参考にしたやつだけ。リデル・ハートはどこかへ消えちゃった。探さないと」

『山・動く〜湾岸戦争に学ぶ経営戦略』 W・G・パゴニス
『戦う民間船〜語られざる勇気と忍耐の記録』 大内建二
『D-DAY 史上最大の作戦の記録』 ウィル・ファウラー
『工兵入門』 佐山二郎
『世界の戦車 1915-1945』 チェンバレン&エリス
『メカニックデザインブック 宇宙戦艦編』 スタジオぬえ
『1977年世界の兵器』 西村多加志
『エニグマ暗号戦―恐るべき英独情報戦』 広田厚司
『自衛隊遊モア辞典』 防衛弘済会
『米陸軍日本語学校』 ハーバート・パッシン
『Cat Shit One』 小林源文
『擲弾兵』 クルト・マイヤー

【まなせ】「それではこれでおしまいです」
【きみこ】「さようならー」
【まなせ】「さよ……あ、銃火器をまるまる忘れてた……」
【きみこ】「もう、ここまでであっぷあっぷだから、今回はこれくらいでいいよ。ごちそうさまでした。 じゃあねー」
【まなせ】(黙って手を振る)

『付け焼き刃の軍事講座』編へ戻る

1700326:曲直瀬 りま:FVB
1700339:きみこ:FVB