【航空ショー】
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私の彼はミリタリーマニアだ。
今日はデートだって言うから期待していたのに、連れてこられたのは飛行場。彼の話だと、今日は飛行場で航空ショーが開催されているのだそうだ。
ちょっと……ううん。結構がっかり。
私は彼と違ってあまりこういうのに興味が無い。だから、せめて何か見るものがあれば良かったのに、あるのは飛行場と飛行機とI=D。それと砂漠だけ。
肝心の彼は今、格納庫にあるI=D(ケントっていうらしい)の撮影に余念が無い。
さっきはさっきで格納庫でやっていた飛行機の模型展示を熱心に見ていた。自分も作品を応募したかららしいけど、おかげでまともな話も出来ない。
本当につまんない。そりゃ、目をキラキラさせて熱心に何かに取り組む彼の姿は好きだけど……。
「ケント十八番機チェック完了……っと」
「お疲れさん。そろそろ始まるから切り上げようぜ」
「そうだな。確か、今日のアクロバットショーはフェイク対アートポストだっけか?」
「模擬戦と言え模擬戦と。……ああ、しかも秘書官と腕っこきのパイロットだ」
「面白くなりそうだな」
「そうだな。……お、フェイクの方は来たみたいだぜ」
「流石に白いから遠目でもわかるなー」
整備士の人が何かを話しているのが聞こえる。
その会話を聞いた彼は、慌てて時計と空を見て私に声をかける。
「まずい! もうすぐ航空ショー始まっちゃう! こっち来て!」
「あ……うん」
彼に言われるまま、彼の後について走る。
折角おめかししてきたのに、私より飛行機の方が大事みたい。全然見てくれない。
う〜ん。泣いて怒ったら少しは考え直してくれるかなぁ……。