歩兵の運用

基本的なこと

・命中判定はありません。
・ヒットポイントはありません。

弾は(大量にばらまく関係で)確実に当たりますし、防御力以上の攻撃を受けたら死にます。車両なら破壊されるでしょう。これはどういうことかというと、歩兵というのは非常に「死にやすい」ということです。

攻撃を受けたら負け、と思ってください。

ではどうすればいいか。

攻撃を受けたら負け
=敵に近寄られたら負け

ということです。歩兵は装甲もなきに等しいので、とにかく敵を近寄らせないように戦っていくことになります。
この時必要なのは

・敵を足止めする(阻止線をかける)
・後退する
・敵の数を減らす

以上3点のいずれか、または複数です。実戦では全てつかわなければいけないことが多いでしょう。

歩兵の役割

歩兵の役割には、2種類あります。
一つが機関銃手、もう一つがライフルマンです。

基本的な戦い方は

・機関銃手が派手に弾をばらまく=阻止線を張る=敵を拘束(移動させないこと)する
・ライフルマンが火力を集中して敵を倒す

これだけです。歩兵の戦術はこれのバリエーションであるといってもいいでしょう。
ちょっと細かく説明しますと

・機関銃手
 とにもかくにも弾をばらまくこと。88式軽機関銃や72式重機関銃を使いますが、基本的には歩きながら撃てる(移動射撃)軽機関銃を選ぶのがよいでしょう。重機関銃は歩きながら撃てないので、使うのにはコツがいります。
予備弾倉は持てるだけ持っておきましょう。弾切れは死を意味します。

・ライフルマン
 歩兵部隊での火力係です。突撃銃(アサルトライフル)を使う普通の歩兵と、狙撃銃(スナイパーライフル)を使う狙撃兵がいます。

突撃銃には、97式突撃銃、69式突撃銃、アデレイトアサルトなどがあります。これらの武器は弾数は少ないですが攻撃力が高く、移動射撃ができます。機関銃手が足りない時にはこちらで阻止線をはることにもなるでしょう。

狙撃銃には、99式狙撃銃、92式自動砲などがあります。これらの武器は貫徹力・攻撃力・射程が大きいのですが、残念ながら初期状態ではまず使えません。また、移動射撃もできないので重機関銃と同じく位置取りが重要になってきます。これらは大貫徹力のために戦車級幻獣にも一定の効果が望めるのもポイント。

基本的には突撃銃を使うといいでしょう。アデレイトアサルトは攻撃力が高いものの特に弾数が少ないので、機関銃手が多い部隊で使います。
予備弾は最低でも2個、初期段階では使えませんが手榴弾も1,2個あると便利です。余裕があれば発煙手榴弾も1,2個持っておきましょう。逃げ隠れするときに心強い味方になってくれます。。

武器について補足。

・重機関銃
 重機関銃というのは、置いて撃つタイプの機関銃です。(これに対し、歩きながら撃てるのを軽機関銃といいます)
軽機関銃より重く、弾が多く、攻撃力が高く、射程が長いですが、撃っている間は移動できないので撃つ場所をよく考える必要があります。具体的には、自分が動けなくても敵の攻撃を受けない位置で撃つことです。

・狙撃銃、自動砲
 ライフルマン用の武器です。これも移動射撃できないので、重機関銃と同じく位置取りが重要になります。

・手榴弾
 手榴弾は、使い捨ての機関銃手と考えればよいでしょう。<投擲>技能によって投げられる距離が伸びます。狭い場所では爆風が跳ね返るので極めて強い武器となります。
 マニアック戦闘ルールでは工夫次第で様々な使い方ができます。(静かに転がして奇襲の修正、空中に投げて上から攻撃の修正を得る、などなど)

・カトラス、塹壕ナイフ
 まさに最後の武器です。基本的には使わない方向で行った方がいいでしょう。当然ながら射程が極めて短く、阻止線数も少ないために
・敵を足止めする(阻止線をかける)
・後退する
という原則と真っ向から対立してしまいます。使うにしても経験を積んでからにしましょう。

敵が強大な場合

 歩兵はミノタウロス、ゴルゴーン、キメラなどの戦車級幻獣に対しては射程・攻撃力・防御力とも圧倒的に不足しているため、正面から戦ってはいけません。
 普通は戦車に任せるわけですが、歩兵しかいない場合は、工夫する必要があります。

・戦車は至近距離の敵(10m以内)には攻撃できないので、遮蔽物に隠れながらうまくそこへ近づく。
・上面、側面や背面を取って攻撃する。

 等の工夫が必要となります。
 戦車級の幻獣は視界が狭いので、その目となる随伴歩兵を倒しておくのを忘れないように。

実例

 以下、ちょっと難しめですがマニアック戦闘での具体的な使い方の一例をあげます。
・機関銃手(88式軽機関銃)
・ライフルマン(97式突撃銃)
各1名でゴブリン30体(3部隊)と戦ってみます。
攻撃力は諸々合わせて10000とし、ゴブリン1部隊なら倒せるものとします。

1,前方400mからゴブリン30体(3部隊)がやってきました。速度は3(1ターンに540m移動)です。

2,50秒後、距離が250m(88式軽機関銃の射程)になります。ここで

・機関銃手
  88式軽機関銃を撃ち始め、同時に後退を始めます。阻止線は1部隊に1本(合計3本)かけ、弾数4を消費。これでゴブリンの速度は1/6になり、速度0.5(1ターンに90m移動)となります。PCの基本移動速度が1ならば慎重移動により速度0.5で後退しながら射撃ができるため、250mを保ったまま撃ち続けることができます。

・ライフルマン
 88式軽機関銃と同時に射撃を始め、一緒に後退します。攻撃対象は1部隊で、弾は1発消費します。阻止線は機関銃手で足りているので、かけなくてかまいません。

 重要なのは火力を集中するということです。ゴブリン3部隊を全て倒すためには攻撃修正30000が必要ですが、1部隊に集中すれば10000ですみます。

 射撃時間は130秒。この間ずっと撃ちながら下がります。ゴブリンとの距離は250mで変わりません。ゴブリン1部隊を撃破できます。

4,第2ターン。180秒撃ち続け、ゴブリン1部隊をさらに倒します。

・機関銃手
ゴブリンは残り2部隊なので、使う弾が4発から3発に減ります。ちなみに全7発なのでこれで弾切れ。

・ライフルマン
第1ターンと変わらず、1発だけ撃ちます。弾は残り2発です。

5,第3ターン。残るゴブリン1部隊を撃破。

・機関銃手
 弾切れなので、40秒つかって弾倉を交換し、140秒撃ちます。

・ライフルマン
 機関銃手が40秒間撃てないので、代わりに弾2発をつかって阻止線をはりながら攻撃します。これでこちらも弾切れになるので、次のターンに弾倉を交換します。

▽例について補足

先ほどの例ではゴブリンは普通移動していましたが、急速移動の場合も考えてみましょう。移動速度は2倍になります。

ターン1:400mから25秒で距離250mとなり、射撃開始。130秒で(相手の速度6/6=1、こちらの後退速度1/2=0.5)として78m縮まり、172mになります。
ターン2:180秒で90m縮まり、82mになります。
ターン3:160秒で80m縮まり、2mになります。ゴブリンの射程は2mなので、20秒間攻撃を受けます。

つまり、この方法では攻撃を受けてしまうので、なんとか工夫する必要があります。ここでは、ターン3で機関銃手がもう1本阻止線を張ることにしましょう。

ターン3開始時の距離は82m、機関銃手は40秒間は弾倉交換中なので、40秒はライフルマンだけが阻止線をはります。
40秒後、互いの距離は62mです。
ここから、機関銃手が1本、ライフルマンが阻止線1本の合計2本をかけます。ゴブリンの移動速度は3×2/10=0.6になり、ゴブリンと味方の相対速度は0.6-0.5=0.1になります。
残り140秒で、互いの距離は14m縮まり、48mでターン終了。無事にゴブリンが倒せたことになります。