夏の園2泊3日の旅〜2日目その1〜

豊国ミロ@レンジャー連邦

















おにいさん
「今、俺たちは船に乗って鍾乳洞の中に入っていってます。
 俺の目の前にすげぇ不思議な空間が広がっています」

おねえさん
「これらの鍾乳洞は公開されているのはごく少数であり、
 未だに全てが把握できているわけではないようで、
 私達が入れるのはその中の一部だけらしいんだって。
 でも綺麗ね〜」

おにいさん
「お!? 下見て! 凄く透明だ!
 魚が泳いでいるのも見えるぜ!」

おねえさん
「ほんとね。外の海も綺麗だけど、こっちはこっちで綺麗ね〜。
 あ、船着場に着いたみたい。
 ここからは歩いて洞窟の奥に進めるのね」

おにいさん
「ほら、いくよ」(カンテラを受け取って先に降りる)

おねえさん
「待ちなさいよ! きゃっ!!」(足元がすべって転びそうになる)

おにいさん
「おっと、大丈夫かよ。
 おっ!? ちょ!!引っ張るなって」(おねえさんを助けながら)

おねえさん
「あ……」(海に落ちていくおにいさんを見て)

おにいさん
「わーーーっ!? 冷たっ!!」(海からあがってきて)

おねえさん
「……ごめんねぇ」

















夏の園観光ガイド:P.22〜/i言語データはこちら⇒

水底のような凛とした空気と何処までも続く闇。
暑く眩しい太陽の日差しも届かない洞の奥には、古から続く時の流れの生み出した美術品がある。

鍾乳洞。

それは決して人の手では生み出すことの出来ない芸術品。
夏の園の北部の海岸に位置する鍾乳洞は夏の園屈指の名所の一つです。

まき@鍋の国

 鍾乳洞は比較的最近発見されたものです。
その理由は入り口が海に面しているため、徒歩では洞内へ入ることが出来ず、
つい最近まで鍾乳洞が存在すると思われていなかったからです。
現在は洞窟の一部が観光名所として解放されていますが、
一部は今だ調査が進んでおらず、立ち入り禁止区域が存在しています。

 距離1kmの行程には、公開されている部分だけでも50数か所以上もの景勝があり、
幻想的な光景を眺めることができます。
その中でも特に有名なものが“王城”と呼ばれている、まるで幾重にも階を重ねた城のような形の石筍です。
長い時をかけて降り注ぐ石灰成分が溶け込んだ水が再結晶化し、複雑な階層構造を創り出したといわれており、
その全く人為的なものを感じさせない外見は、不思議と見るものの心を捉えて離す事はありません。
また“回廊”という名の石柱の連なる場所では先の“王城”と相まって、
洞内であるにもかかわらず宮殿にいるかのような印象を抱かせます。

豊国ミロ@レンジャー連邦

 カヌーレース場付近に鍾乳洞観光用の船着場があり、
そこから15分ほどボートに乗ることで鍾乳洞探索ができます。
波に揺られながらモーターボートで洞窟近辺に近づき、
洞窟内部では騒音が響くためモーターを切り、オールに持ち替えての移動となります。
洞内を500mほど進むと、突き当たりに出ます。
そこには大きな湖があり、天気のよい日であればその天井の穴から光が差し込み、
さらに湖面に反射し洞内が明るく照らされます。このとき水中で泳ぐ魚の様子を観察することもできます。

 湖の奥には桟橋があり、そこから先は船から降り歩いて進むことになります。
降りてすぐの場所にスタッフがいるので、カンテラを受け取って、更に奥へと進んで下さい。
カンテラの灯りでゆらゆらと影が揺れて踊る景色はとても幻想的です。
どこかこの世ならぬ世界へと足を踏み入れたかのようで、
清廉とした空気の中を歩けば、体の中から澄み渡っていくような心地よい気分が満喫できます。
ただし、大変足元が滑りやすくなっているので、注意が必要です。

 運が良ければ洞窟の奥にぼんやりと光るものが見えるかもしれません。
闇の中に夜空の星を連想させる光はグローワームの一種が生息しているためではないかと言われており、
現在も調査が進められています。
なお、洞窟の奥は足場が悪く、大変危険なため、立ち入り禁止となっております。
(※無理に進んだ場合、罰せられることもあるので決して進まないでください)

帰り道では行きに見ることのできなかったものなどを再び眺めてみてください。
“王城”をはじめとして、丸い壷のような“水がめ”、雪崩落ちる大迫力の“大滝”、
無数の小さな鍾乳石の連なる“針天井”――そのほかにもさまざまな自然の芸術があります。
時の不思議が創り出す芸術は、決して人の手には届かぬもの。
悠久の織りなす絶景を、ぜひ時間をかけてご堪能ください。



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