果ての砂漠の中でも異色というべき風景が、この果ての砂漠と隣の区画を区切るように流れる水路周辺の地域だ。
 水路周辺はほかの地域と毛色が違い、植物が多く生い茂り、地面にも土と呼べるものが現れている。
 湧き水であるオアシスとは違い、飲料するには若干危険でもあるが、砂漠には珍しい水源のおかげでこの周辺の昼夜の温度差はほかと比較すると非常に小さくなっている。

 また、これをたどっていくことで迷わず帰還することができることから、たどり着けるかわからないオアシスよりも、 ここにベーズキャンプを構える旅人が多く、場所によってはまるでキャラバンのようにテントが水辺に列を成して立てられている光景が目に付く。
 生命の元とは水である、ということが奇しくも砂漠という極限状態によって浮き彫りにされているのだ。

TOPページへ