彼女はこの遺跡から出ようとはしない。もしかしたら『出られない』と言ったほうが正確なのかもしれないが・・・



「それじゃ、またね」
「それじゃ、またな」


 サク…サク…
 粒子の細かい砂を踏みしめ、今日も私は砂漠を歩く。
 サク…サク…
 きっと、私も祖父のように、この御伽噺を息子や孫に話すのかもしれないと思いながら。----

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