幻か・・・と思ったが、違う 何かが違う。
 私は最後の気力を振りしぼって立ち上がるとゆっくりとした足取りで近づいて行った。
 どんどんと近づいてくるオアシス。
 足取りも自然と速くなる。私はいつの間にか走り出して、オアシスの中へ入っていった。
 中に入って見ると何故だろうか、砂漠のど真ん中と思えない程に涼しく、太陽の光も急に弱くなったように感じる。
 私は不思議に思いながらも水を求めると両手で掬ってごくごくと喉を潤した。ほっと一息つき、周りを見回し、そこで気づいた。
 周りには見た事も無いような動物達がいたのである。
 それは金色に輝いている猿であったり、角を持つ馬であったり、炎のように燃える朱い鳥であったり。
 そして周りの植物もまた見た事の無い色形の物ばかりであった。

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