夏の世界の地下にある、春秋冬3つの庭園。そこの大壁面に描かれているのは一続きの神話絵巻です。
実際の壁画をごらんになられるまでになぜ作られたのか、またなぜ神話が描かれることになったのか、そしてどうやって作られたかのお話を簡単にさせて頂きます。
壁画が作られる数ヶ月前まで、ニューワールドに存在する帝国領は相次ぐ戦乱の中でした。
弱きを助け、向かい来る侵略者を退ける。そんな戦いの日々。
そうして数ヶ月間の戦乱を潜り抜け、帝國はひと時の平安を得ました。
戦闘に多くの時間を割かれていたもの達の、歓喜はひとしおです。
この短いながらも我らの力で得た平和を楽しもう!
人々は平和を謳歌すべく、実際に行動を起こしていきました。
恋人との語らい。
世界各地での旅行。
家の建築や道具の発明。
そして宰相府藩国の建設。
様々な平和の過ごし方が行われる中、ある動きが起こりました。
広大な庭園隔壁を一つの絵巻物語にして平和を慈しみ、芸術で安らぎを広めようというのです。
平和が文化を促進させ、文化が平和を維持するという理念を現実化する案でした。
慈愛と英知を尊ぶとされる帝國は即座に支援を開始。
こうして壁画は作られたのです。
そして庭園の隔壁に絵巻物語が描かれ完成しました。
その物語は秋冬春のテーマが描かれた神話です。
普通、自然に絵を楽しむならばモチーフは、その庭園に合った季節の風景画のほうがよいと思われるかもしれません。
ですから壁画を神話にしたことには意味がある、と一部では噂されています。
噂の一つに「神話には神々の魔法の言葉や意思が紡がれている」という話から始まる説があります。
あなたは神話の絵本や小説を読んだとき、なにか特別な雰囲気を感じたことはありませんか?
宰相府はその力を利用して、神話を描くことで庭園を、宰相府を魔術的な結界で囲もうしているというのです。
実際はどうなんでしょうか。
ともあれ、神話は子供にも親しみやすく、広く人々に理解されやすいからという点もあるでしょう。
もうまもなくご覧になられる壁画はとても多くの人々によってつくられました。
技族と呼ばれる絵描き職人たちは物語の彩を飾り、文族と呼ばれる物書き文人たちは物語に躍動を与えました。
族は違えども彼らは筆を振るう仲間であり、その脳内芸術を発揮させる好敵手。互いに力を尽くします。
また忘れてはならないのは、現場で働くワンちゃんこと犬士たちです。
ほとんど現場で働くことができない人々に代わり、宰相府での工事現場は犬士たちが大いに活躍しました。
壁画を近くで見る場合は注意してください。忙しく走り回ったであろう、犬士たちの足跡が残っているかもしれません。
かように、技族も文族も犬士も頑張って働きました。
一人一人の作業がとても小さいと思えるほどの壁の大きさ。
それは苦難といえるものですが、壁画は完成しました。
シーズン1で苦難を共に駆け抜けた仲間の絆が完成を生んだのかもしれません。
お話はここまでです。みなさん、実際の壁画をご覧ください。
人の意思が多く集えばこれほどのこともできる見本といえるでしょう。