たんぽぽ&クローバーの園
     

「こっちに来たって聞きましたが、惣一郎、本当にどこにいっちゃったでしょうか・・・・・・。
 うう・・・な、泣きません、泣きませんよ。蝶子はつよい子です。
 惣一郎がいなくても、ガイドをやるって決めたんです。
 そう、ふぁいと、ふぁいとですよ、蝶子!へこんでる暇があったら練習です!」
「(コホン)此方はシロツメクサ、たんぽぽのエリアになります。
 このエリアはなんといっても、このなだらかな広い草原が売りです。
 うららかな陽気の下で、草原に寝転がってのんびりするのは極上の幸せですよ。
 ただ、雲が陰った時には、なにか掛けるものがあったほうがいいかもしれません。
 ちなみにシロツメクサは、ご存知の通りクローバーの事です。
 貴方も一緒に大切な人と、幸せの四葉のクローバー探しをしてみるのも素敵だと思います。
 喉が渇いたり、小腹がすいたりしたら、オープンカフェへどうぞ。
 春風の運ぶ花の匂いと澄んだ空気を、一緒に召し上がれ」
「よし、上手くできました・・・。この調子、この調子です」
「あれ?今惣一郎の声がしたような・・・やっぱりここにいるのでしょうか。とにかく行ってみないと」


「こうして寝転がっているのは、まあまあ幸せだ」
「私もかも」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・何?」
「・・・・・・張り合うな」
「あれは惣一郎・・・・・・?ううん、ヤガミだけどまた違いますね・・・・・・・・・。
 ああ、でもあの人たち仲良さそうですね・・・。
 わ、ヤガミの御腹を枕に!?・・・・・・・・・(主にヤガミが)羨ましい(じー)」
「たまには、なにか別のことしてみる?」
「ここでの過ごし方は、俺はこれ以外知らない。何か他にあるのか?」
「んー、私も他に知らないんだよね。幸せだからこれだけでいいかなぁ」
「ちなみに、さっきから、こっちをじーっと見ているやつがいるのだが」
「えー?・・・・・・(むくり)  あ、あれガイドさんじゃない?ちょうどいいや。すいませーん、ガイドさーん」
「は、はい!今参ります!
 ・・・・・・・・・つい羨ましくて他人様の逢引をじっと見てしまいました。
 ・・・・・・はしたない、はしたないです蝶子。
 やっぱり怒られるのでしょうか・・・・・・うう、どうしましょう」
「・・・・・・それもこれも、全部惣一郎が悪いんです・・・
 いつかメガネ割ってやる(ぎりぎり」
「ガイドさーん?ほら、起きて」
「ごめんなさいごめんなさい、なんでしょうかー?」
「あ、すみませんー。  私達、いつもここで寝転がってばかりなんですけれど、
 ここでのお勧めの過ごし方ってありますか?」
「(怒られるんじゃなかった!よかったですー)
 は、はい!ええとですね。
 まずはこのエリアの説明をさせていただきましょうか。
 此方はご存知の通り、シロツメクサ、たんぽぽのエリアとなっております。
 御二方がされていたように、隣の梅の園や苺畑などから漂ってくる春の香りをかぎながら、
 ぽかぽか陽気の下でお昼寝というのが皆様の定番のようです。
 ほかにも、オープンカフェがありますので、
 そちらで春の陽気を楽しみながらお茶を味わうのも、また格別です。
 そうですね、その他にお勧めといえば・・・
 四葉のクローバー探しと言うのはいかがでしょうか?」
「四葉のクローバー?探して何か意味があるのか?」
「クローバーって良く見るのは大体三つ葉なんだよ。
 四葉のクローバーは幸せを呼ぶって言われているらしいよ」
「四葉のクローバーの四つの葉は、それぞれ希望、誠実、愛、友情を表していると言われます。
 十字架とも見なされるようですね。
 難しい事はともかくとして、とにかく、珍しいものなので、
 今そちらのお嬢様が言われたように、見つけた人には幸福が訪れると言われています。
 でも、一般には大分珍しい物ですが、これだけクローバーがありますから、
 御二方で探せばきっと見つかりますよ。
 クローバーが見つかったら、オープンカフェの裏手にある工房まで持っていくと、
 押し花にしてしおりを作ってもらえます。
 他にも、簡単なキーホルダーにしたりとか、ちょっとしたものに加工してもらえます。
 御二人の絆の記念としていかがでしょうか」
「・・・・・・お守りにも、できますか?」
「ええ、そちらも評判のようです」
「何故俺を見る」
「だって、危なっかしいんだもの」
「・・・・・・・・分かった。作ったら持っててやる」
「じゃあ、探そうか。ガイドさん、有難うございました。クローバー探し、やってみますね」
「お役に立てて何よりです」
「ほら、いっしょに探そうよ」
「ちょっと待て」
「ん?何をやっているの?」
「・・・・・・・・・やる」
「きゃ、何!?」
「プレゼントだ」
「あ・・・・・・たんぽぽの、冠・・・・・・」



「・・・・・・・・・暇つぶしに作った」
「・・・・・・ありがとー(ぎゅー」
「(・・・・・・う、羨ましい(綺麗な女性に抱きしめられるヤガミが)・・・)
 美人さんと仲良し・・・・・・・・・ヤガミの癖に・・・(ギリギリ)」
「・・・・・・なんだか寒気が)」
「そういえばガイドさん、さっき私達の事、じっと見てました?」
「(ばれてた!?)ごごごごごごごめんなさい!
 ああ、もう、なんてお詫びをしていいのやら(わたわた)」
「あー、いえいえ、怒ってないですよー。ね?」
「・・・・・・・・・別に」
「ごめんなさいごめんなさい、ちょっとうちの惣一郎を探していたものですから、つい」
「そういちろう・・・ああ、別のヤガミを探していたのですね」
「ええ、ふと眼を離した隙にいなくなってしまって・・・・・・(嘘ではないです)」
「んー、御免なさい、ちょっと分からないです」
「そうでしたか、お騒がせして申し訳ありません。(ここも違いましたか・・・)
  で、では、私はこれでお暇させていただきますね!
御二人に四葉のクローバーが見つかることを祈ってますっ。では失礼しますー」
「んー・・・・・・・・・他に惣一郎がいるとしたら・・・・・・まだ行っていない場所・・・・・・望楼でしょうか。
 ぼうろうは、と・・・このエリアの外れのが近いですね。
  ・・・・・・居てくれるといいのですけれど・・・・・・」


蓮華の園桜の園梅の園苺畑
たんぽぽ&クローバーの園望楼小麦畑&風車区画