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[No.908] 固定リンク ボーイ ミーツ ガール 投稿者:nishiura  投稿日:2012/08/11(Sat) 14:02:06
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世界最強のスパイには、いい女 それも世界一の女がいるものだ。
無論、妻には秘密だ。

かつて、ガンパレードマーチにおいて、男は滝川だった。
地面を見ず、天を見上げず、未来だけを夢見る、永遠の少年。
そこで、少年は少女に出会う。

名を「悠木 映」という。
「ねえ、君。何してるの?」

ダンボールから顔を出した少年が、彼女と目が合った。
「え、ええと特訓だよ、・・・俺、暗い所が苦手でさ」

「ぷ・・・あはははっ。何それ、おもしろーい」
「・・・それより、アンタ・・・誰?」
「なによ、失礼ね。私は『映』ここの学生よ。こんな綺麗なお姉さんと話せた事、感激しなさいよね」
「う、うるせー、変な女!」
滝川の顔は真っ赤になっていた。確かに綺麗なお姉さんだった。

「そういえば、君、戦車乗りなの?」
「まだだけど。いつか皆を助けられる、ヒーローになるんだ」
「ふーん、それって愛がある?」
「当ったり前だろ、ヒーローは、弱い奴の味方なんだ」と答えた。

映は、「うん、その答え、YESだね」と言った。
男は、その時の彼女の笑顔を、一生忘れないと思った。

「…ま、いっか。…でも、戦車兵をしたいよね」
映は、微笑んだ後、窓の外を見た。

「だれかに守られるのって好きじゃないし…なんてねっ。
 …何で出会ったばかりの君に言ってるんだろ。そうだ、ひょっとして君、私に魔法かけた?」
「知らねえよ、なんだそれ?」
「じゃあね、ダンボールの魔法使いさんっ」と言って去っていく彼女。
恋と言う魔法をかけたのは、彼女の方だった。

数日後、また彼女と出くわした。
「…あ、また会ったね、魔法使いさん。どう、調子は?」
「ああ・・・あれ、それって?」彼女の胸に戦車章が付いていた。
「あ、気が付いた?」

滝川は、彼女の胸を凝視して、別の事を考えていた。
(デカイ・・・な)年頃の男にとって、考える事はひとつ。
「ふふ・・・何考えてるのかな?」 当ててみよっか?、って感じで聞いてくる。
「な・・・何でもねえよ。それより、戦車章取ったって事は・・・」

「そうよ、戦場に行くの。これでもう、誰かに守られるのは終わり」
「あぶねえよ、そういうの。俺・・・」
「…あ、その態度、YESじゃないっ。・・・嘘、少しだけYES・・・かな」
「べ、別にそんなつもりじゃ・・・。」
「ほんと、君って魔法使いみたい。じゃあね、これから訓練だから」
軽やかにくるっと回って、こちらに手を振ってくる。

顔さえ見えない、記号のような『世界一のいい女』との逢瀬はそこまでだった。
そして、男は彼女を助けるため、YESと言わせるために、限りなく青くなる事を決めた。

「俺は、ドラゴンになる。いつか、この世の誰よりも強くなる」と周りに言って笑われた。
だから、と。地面に自分の新しい名前を「瀧川」と書いた。

その後、長い長い旅路の果てに、男は世界も時も姿形さえも変えて、彼女と出会った。
名前を付けて欲しいと頼まれて、彼はひとしきり考えた後「ユーキ」と呼ぶ事にした。
彼の国では「勇気」と書く。恐れず、怯まず、諦めず。ただ前だけに向かう者をそう呼ぶ。


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